作ろう、遊ぼう、調べよう

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みんなで作ろう!飾り巻き寿司

矢野優子

記念すべき第一回目は、ニュルンベルク在住、二人のお子さんの母である矢野優子さんにお話を伺いました。

  • 「ちょっとみんなにシェアしたい」おすすめの活動を教えてください!

とある春に「飾り巻き寿司を作る会」をしました。幼稚園児から中学生までの子どもたち5人 が、好みの具を入れた太巻きを作り、皆で美味しくいただきました。ビーツの汁で色を付けた酢めしを使ったお花巻き、厚焼き卵をくちばしにしたペンギン巻きなどは小学生でも十分取り組めました。(レシピはこちら。)「巻きす」「酢めし」といった言葉や、「切るように混ぜる」「うちわであおいで粗熱を取る」「ぬれぶきんをかぶせる」といった表現も、実際にものを触ることによってスッと理解しているようでした。誰でも取り組みやすく、美味しく食べられるゴールがあることが、調理系アクティビティの良さです。

 

  • 実際にやってみていかがでしたか?

「楽しかった」体験は長く記憶に残るらしく、その時に出会った言葉は数年経っても鮮明に覚えています。一人ひとりの子どもに合わせて「ちょっとだけ難しいこと」に挑戦できるように大人が働きかけると、子どもの達成感も増します。総じて日本語でできることへのポジティブな気持ちが重なっていくことになります。また家庭外の人と一緒にすることがポイントです。親子だけだと言い合いになりそうな場面も回避できますし、ちょっと面倒だなと思うことも、友だち親子と一緒にすることで、やる気が違ってきます。また、他の家族との会話は、いろんな日本語(語彙やイントネーション)に触れる良い機会にもなります。

 

  • 親子で何かをやりたいと思っている方へのメッセージをお願いします!

長い目を持つことが大事だと思います。我が家ではいつまでも「書く」作業が大変で、日本語の宿題を毛嫌いした時期もありました。しかし、年度末に一年前の日本語と比べてみると驚くほど成長していることに気づき、継続は力なりと感じたものです。「日本語ができることが、自分の人生にとって大事」と本人が理解してエンジンがかかるまで、いろんな方面からの刺激を与えてみたり、友だちやコミュニティとの関わり方を工夫してみたりすることが、親のできることかなと思います。

 


矢野優子(YANO Yuko)さん
ニュルンベルク在住二児の母。在独23年の日本人家庭。理想的なバイリンガルになってくれることを願いながら子育てをするも、小3あたりから壁にぶつかる。そんな折、仲間たちと「ドイツで育つ子どものための継承語教育を考える会」を発足(2011年)、以後10年にわたり実践として幼稚園児から中学生を主な対象者としたイベントやワークショップを企画運営。

(取材編集 チーム・もっとつなぐ)

 

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