チーム・もっとつなぐ

【2021年10月・11月開催】全3回連続セミナー終了!「複言語キッズのことばを育てるポイント~『わたし語ポートフォリオ』を使ってみよう~」

この秋、チーム・もっとつなぐは、海外で育つ日本ルーツの子どもたちの「ことば」について、実際に『わたし語ポートフォリオ』を使いながら、「複言語」という視点から考える連続セミナーを開催しました。全3回のセミナーには、ヨーロッパ(7か国)、アメリカ、香港、オーストラリアから30名近い方々が(時差のため地域によっては早朝から!)ご参加くださいました。(開催日時:10月6日、23日、11月13日  毎回20時~21時15分CET)

 

「日本にいないのに、子どもたちはなぜ日本語を学ぶ必要があるのだろうか?(子どもたちにとって日本語を学ぶ意味とは?)」「親である私たちは、子どもの日本語になにを望んでいるのだろうか?」「子どもの日本語と親としてどう向き合えばいいだろうか?」という3つの問いを糸口に、以下「複言語キッズのことばを育てる5つのポイント」にそって、講義とグループ活動を交えながらオープンに話し合う機会となりました。

1.  子どもの「わたし語」を尊重する

2.「家族のことばの方針」を考える

3.「できること」を見つける

4.「見えにくい力」にも目を向ける

5.  子どもの「つなぐ力」を信じる

 

各回終了後にお答えいただいたアンケートより、参加者の声を一部紹介します。

「複言語という考え方と出会えて肩の力を少し抜くことが出来て良かったです。十人十色で良いじゃないか・・・ということを念頭に、これからも子供に合った、そして家族のライフスタイルにあった方針を随時、家庭内で相談しながら、ゆっくり見守りながら育てていきたいです。」

「書く・聞く・読む・話すの能力がアンバランスなのは当たり前という点が、新たな発見・学びでした。」

「方言が強い地域に住んでいるので、方言もアイデンティティーになるという考え方に勇気づけられました。」

「今まで『聞く力』にあまり目を向けていなかったことが発見でした。改めて自分の子の「できること」に目を向ける、「できることを」探すことの大切さを学べました。」

「見方によって、子供達の〈できる〉が増えることに驚きました。妥協するのではなく、実際の良いところを普段忘れがちなのがわかり納得しました。」

「ことばを支えるさまざまな『技能(スキル)』や『能力』のことを知り、言語教育に必要なのは『言葉だけではない』んだとはっとしました。」

「複言語キッズが文化の仲介者、誤解や摩擦を解決する立場になり得るというのが、複言語で生きていくことに大きな意味を与えてくれると感じました。」

「ともすれば完璧を求めがちになる自分の考えを見つめ直す機会となりました。また子供の年齢が上がるにつれて出てくる悩みもあると思うので、そう言うことを話せる場を作っていただけると嬉しいです。」

「補習校としてどのように「わたし語ポートフォリオ」を活用していけるか。保護者にお知らせして、家庭で活用していただくほかに、授業で扱うことが可能か、どのような扱い方をすればいいのか、考えながら聞いていました。」

 

なお、アンケートに寄せられた「心に残ったもやもや」については、セミナー3回目の最後に「もやもやシェアタイム」を設け、3,4人のグループに分かれてそれぞれの思いや考えを話していただきました。色々な国に住んでいる人たちと子育ての悩みや体験談を共有していただけたのも、オンライン開催の利点だったといえましょう。

こうした「もやもや」について、そして『わたし語ポートフォリオ』の楽しく効果的な使い方について、オンライン等でまた集まる機会をつくって、みなさんといっしょにこれからも考えていきたいと思っています。[チーム・もっとつなぐ一同]

 

※各回の資料は以下でご覧いただけます。

第1回 第2回 第3回 

 

【セミナー開催概要】

主催/デュースブルク日本語学校でんでんむし 協力/オスロマルチリンガル日本語学校

参加費/全3回  25€      開催告知はこちら