チーム・もっとつなぐ

【2015年~2020年】〈チーム・もっとつなぐ〉活動レポート

●チームメンバーをつないだもの 

2014年11月、冊子『つなぐーわたし・家族・日本語ー』(公益法人日本文化普及センター)が刊行されました。同冊子の巻頭エッセイは、ヨーロッパ発祥の「複言語・複文化」という考え方、そして、その言語教育の枠組みとしての「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)」を紹介しています。奥村2014:18-29福島2014:7-17

CFFRは、「できること」を評価するとともに、「得意なこと」を大切にし、「わたしのことば」を育てていきながら、「自分で・自律的に」そして「生涯学びつづける」ことを重視しています。こうした学びの枠組みは、海外に暮らす日本ルーツの子どもたちの日本語を考えていくうえで、一つの大きなヒントを提示しています。そのヒントを糧に、冊子『つなぐ』の編者2人と読者2人とが「複言語・複文化」という考え方をより多くの人と共有したい、子どもたちの「できること」について共に考えていきたいと意気投合し、2015年春に生まれたのが〈チーム・もっとつなぐ〉です。

 

●2015年9月最初のワークシップから、『わたし語ポートフォリオ』ができるまで

チーム結成後、私たちは複言語環境で育っている子どもたちの「できること」について多くの人と共に考えることを目的に、ドイツ国内外においてワークショップの開催や学会での発表をしてきました。最初の活動は、国際交流基金ケルン日本文化会館とのコラボで開催した2015年9月のワークショップ「こどもCan Do 」です。それ以降、定期的に活動をつづけ、参加者のみなさんとの意見交換とグループワークの成果物として、900件以上の子どもたちの「できること」(例示的能力記述文)を集めました。それらを整理・分析し多くの方々のフィードバックを得ながら制作したのが『わたし語ポートフォリオ』です。2015年秋から2020年末までの活動については、こちらの「活動記録」をご覧ください。

 

●2021年春、複言語ファミリーをつなぐポータルサイト〈つなぐ〉が始動! 

チーム・もっとつなぐは、2015年の結成以来、ドイツで子育てに奮闘する複言語キッズの親として、また日本語教師として、子どもたちのことばの学びと向き合ってきました。2021年からは、新しいメンバーを迎え、現在は5人のユニットで活動しています。そして、同年3月末には、国際交流基金ケルン日本文化井会館とのコラボで、ポータルサイト〈つなぐ〉を始動させました。これからは、このサイト〈つなぐ〉を通して、ドイツ国内外の複言語ファミリーとつながり、将来を担う子どもたちの〈わたし語〉の育ちを一緒に見守っていきたいと思います。

※2021年以降の活動は、こちら〈チーム・もっとつなぐの活動レポート&お知らせページ〉をご覧ください。